音楽家がみると世の中は
このように見えてくる
不思議!
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■200号を突破した、あのメルマガのバックナンバー102号
ゴンドラの唄
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「つれづれ音楽生活のすすめ」 VoL. 00102
作者:ヴォーカリスト 牧野 俊浩 04/11/ 22
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音楽的であること。それがこれからの地球の課題です。
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■今日のバイブレーション■
森鴎外訳オペラ「オルフェウス」
(11月21日読売新聞より)
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
90年の歳月を経て文豪の訳詩になる「オルフェウス」が東京芸術大学の
手で上演されるとの事である。
総合芸術であるオペラではあるが、日本人が上演するものに関しては、か
なり厳しい見方をしている人が多い。それを嫌う人の多くが、言葉の不自然
さをあげる。これには二通りの意味がある。一つは発声技法としての不自然
であり、もう一つは、訳詩とメロディの整合性に関してである。
もともとは違う言語のイントネーションをもとに作曲されたものを日本語
に置き換えてゆくわけであるから、無理は承知の上となるが、それでも純粋
に音楽的喜びに身を委ねるための方策には今後も是非挑戦をして頂きたい。
そういう意味では当時の試みには興味が沸く。
何しろ、あの森鴎外先生である。文学作品としても磨きぬかれたフレーズが
耳に心地よいという事もあるかもしれない。
二期会時代にも随分と訳詩でオペラをやらさせて頂いた。
意味を伝えるために母国語を使うというのは、それほど悪い事ではあるまい。
問題は訳し方なのであろう。
シューベルトの「冬の旅」を、綺麗な意訳として詩に昇華させ、誰かに歌
わせてみてはどうかという試行錯誤の入り口に立ちかけた事があった。
青春から老齢までを歌う人生ドラマを語りあげるに相応しい流行歌手。
20数年前には「森進一」ってのはどうだろうかなどと思っていたが・・
さて、今ならどうすればいいか。
そして訳詩をだれに頼めば・・これも実現性は極めて疑わしい気がするが、
ここはやはり、谷川俊太郎さんかなあ。
ともあれ文化の継承に時代の手が加わることは面白い事である。
================================ ■百歌斉放2■(ゴンドラの唄)
昨年の春に家内の父が旅立ちました。歌と酒が大好きな父でした。
元気な時には、お酒がはいると必ずといっていいほど、古い歌集を持ちだし
ては、僕よりもずっと低いバスの声質で、数々の歌を歌っておりました。
長い付き合いでした。家内の家に出入りをはじめたのは、僕が22歳頃の
ことでしたから、その頃は父もまだ50歳。今の僕よりもずっと若い年齢だ
ったのですね。
まだ僕の仕事も決まっていなかったのに、いきなり娘との結婚を持ち出さ
れて、父親としては一体どんな心境だったことでしょう。
なんとも無茶苦茶な僕自身ではありました。
以来、亡くなるまで、本当に心配をかけっぱなしでした。
少しは、喜んでもらえたと思ったのは、淡谷のりこさんをメインに据えた
銀座の博品館劇場での公演「我が青春の舶来流行歌」を企画したときだった
でしょうか。
スライドとして、上記の古びた歌集をバックに映し出しながら、淡谷さん
が歌い、太地喜和子、モレシャンさん等に友人として出演をしていただいた、
あの豪華なステージを思い出します。
そのステージでは、歌われることはありませんでしたが、父の十八番の一
曲が、この「ゴンドラの唄」でした。
いのち短し恋せよ乙女
赤き唇 あせぬまに
熱き血潮の冷えぬまに
明日の月日は無いものを
もともとは大正3年に松井須磨子により舞台の劇中歌として歌われたもの。
http://utagoekissa.web.infoseek.co.jp/gondora.html
一曲のライフサイクルが長かった時代、大正8年生まれの父は、どこかで
この唄をリアルタイムで聴いていたのでしょうか。
野太く低い声で唸るように歌っていた父を思い出すと、この唄はまさに父
のテーマソングのように感じます。昔の旧制高校の生徒たちは、酔っては、
愛する人を思い、この唄を愛唱していたのでしょう。
演歌系統を余り好まず、こういった大正浪漫や映画音楽を愛した父のお洒落な一面を思い出しながら、今回の私のCDにも加えてみました。
享年83歳。合掌。
================================ ■企画者と音楽家のための眼ご馳走■(老人ホームへの出前演奏)
有料老人ホームへの出前コンサートを開始して、9年近くになります。
僕のコーラスグループHOTDOGSの誕生の意味は、そこにありました。
親不孝の息子たちが、親の世代への歌のプレゼント。これをコンセプトとし
て1995年に結成。
でも、最近はかなり厳しい状況で、ご依頼に対応できるのは1名から2名の
編成のものとなり、中々コーラス3名+ピアニストという形では出前できなく
なっています。数頼みということでは無いのですが、エネルギーのあるステー
ジを創るにはそれなりの人員が必要です。
文化の時代になったと喧伝されても、現場もアーティストも事務所も実際に
は苦しんでいます。こどもたちへの文化行政が活発化して来た今、今度はシニ
アへのこころ配りをぼちぼち考えてもいい時期でしょう。
20日には、二つのプロジェクトで二箇所の有料老人ホームに対応を致しま
した。アジアの民俗音楽系は評判が良く、今回は張素奇(ちょう そき)さん
の中国笛をビバリーコート三鷹に。
そして、ビバリーコート茅ヶ崎へはビブラフォンとピアノで行うクラシックコ
ンサートを提供いたしました。
両施設ともに、音楽の似合う素敵な設計です。
http://beverlynet.co.jp/index.html
93歳で現役のお医者さんである日野原重明先生の新刊が出版されるとか。
「生き方上手」シリーズに引き続き、愛に関しての書き下ろしです。
「テンダーラブ」。我が国音楽療法の最高権威である先生の著作ですから、き
っと音楽の中に含まれる愛のメッセージの聴き取り方も伝授されているのでは
ないかと思います。
もっと音楽を!と叫んでいる魂への贈り物を、制度的にも音楽家の立場から
も考える時期にきたと考えています。 |
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●編集後記●(ワークショップ成功)
土曜日、日曜日とは幸いに雨にはあわず、小春日和の穏やかな天候の中で、
青梅でのワークショップは終了。
楽しいワークショップでした。竹にふれる・竹でつくる・竹でかなでると言
う竹尽くしのワークショップ。
手作りの楽器で演奏に参加してくれた「こども劇場西多摩」のみなさん有難
う!毎回、エネルギッシュな演奏でサポートしてくれる神代充史さんとサルサ
・プレーナー楽団の皆様お疲れ様でした!
http://members.aol.com/Gekijyo/
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■「つれづれ音楽生活のすすめ」 00102号 2004/11/22
■ご意見、ご感想、音楽への日頃の思いなどのメールをお待ちしています。
E-mail hotdogs@jp.bigplanet.com
HPではいろいろなジャンルの音楽や文化の情報を掲載しています。
URL<総合サイト> http://homepage2.nifty.com/artbox2
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有限会社 文化センターボックス 代表取締役 牧野 俊浩
TEL 042(998)0750 FAX 042(998)0751
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■このメールマガジンは『まぐまぐ』( http:www.mag2.com)より発行しています。
牧野俊浩は、音楽の力を伝えるために、全国でステージ活動をしたり、
高齢者施設で歌をきいてもらったり、お話をしたりしています。
そんな実績をもとにして1999年に一冊の本を書き上げました。
いまだにそこそこ売れ続けています。
但し一般書店では埋もれてしまっているでしょうねえ。
宜しければお申し込みください。1500円です。
音楽は言葉をこえて
何とかしてして他人の心に触れたいという願い
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第一章 癒しの時代
●今なぜセラピーなのか
●音楽の力
●音楽セラピーの役割
第二章 音楽セラピーとはなにか
●音楽セラピーの歴史
●能動的音楽セラピー
●受動的音楽セラピー
●新時代の音楽セラピー
第三章 青音協の役割
第四章 私のセラピー観
〜共鳴としての音楽セラピー〜
●多様性を取り込む
●ふれあい
●模倣から共鳴へ
●音楽環境
●メンタルハーモニー
●シェイクハンズ・シェイクハーツ
●右脳のはたらき
●リズム
●共鳴する声帯
●ハーモニー
●倍音
第五章 何を歌ってきたのだろう
〜高齢者のための曲目リスト〜
●あたたかい交流のために
●時代の歌
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2007年を目前にして、ますます高齢化社会がクローズアップされてきた昨今、
様々なセラピーが話題になっていますが、人それぞれの心の中の眠るメロディを呼び覚ます音楽セラピー。クオリティオブライフ(人生の質)を高める音楽セラピーをわかりやすく解説した話題の書です。
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■百歌斉放
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牧野俊浩のCD発売中!
百花斉放・・・・・すべての花が一時に開花する様子をこのようにいうのだそうです。百歌斉放・・・・・すべての歌がもう一度心の中で眠りを覚ます事を願って、このように名付けました。大正ロマン(浪漫)から昭和パッション(情熱)までの名曲を牧野が歌ってゆきます。先ずは第一弾!!懐かしさからはじめてみます。アコースティックにピアノだけの伴奏で唄ってみました。あなたは、心の中でこんなプログラムを待っていませんでしたか? |
ゴンドラの唄
宵待草
琵琶湖周航の歌
故郷
私の青空
月光価千金
胸の振り子
時には昔の話を
黄昏のビギン
酒と泪と男と女
竹田の子守唄
旧友再会
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