音楽家がみると世の中は
このように見えてくる
不思議!
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■200号を突破した、あのメルマガのバックナンバー005号
中国笛
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「つれづれ音楽生活のすすめ」 VoL. 00005
作者:ヴォーカリスト 牧野 俊浩 03/12/12
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■今日のバイブレーション■
秩序ある時代の音楽は穏やかだし、溌剌としている。
そして、その国もそうである。
不安定な時代の音楽は激しく、荒々しい。
そして、その国も歪んでいる。
(中国の古典より)
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●今日のバイブレーションから思い浮かんだ事●
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前回に引き続いて中国の古典からの引用。
歌は世につれ,世は歌につれというところか。この国は今、どこに向かお
うとしているのだろう。政治的メルマガであるならば、イラク派兵について、
喧々諤々(けんけんがくがく)の討議をまきおこさねばならない事態である。
だが、ここは、音楽の側から社会をみることに留めたい。
僕の青春時代であった60年代半ばから70年代にかけての音楽的特徴は、い
うまでもなくフォークソングの台頭である。アメリカの反戦フォークそのも
のの移植もあったが、次第に和製フォークとしてのジャンルが確立された時
代といえる。
その中には、フォークが他の音楽ジャンルと一線を画すプロテスト性を過
分に持った曲もあったが、ひいてはニューミュージック、現在のJ−POPS
につながるような、青春賛歌の味わいをもった佳曲がたくさん生み出された。
前者の代表としては「山谷ブルース」「友よ」を歌った岡林信康や、「べ
平連」のフォーク・ゲリラの動きがあるし、後者としては吉田拓郎、オフコ
ース、井上陽水、トワ・エ・モアのほか現在も活躍中のビッグネームが、ず
らりとそろっている。
新しい秩序を求めて、若者たちが、「意義申し立て」を行った時代であるか
ら、国自体は歪んでいたのかも知れない。高度成長期の最中でもあったから、
全てがエネルギーに満ち溢れ、ゴツゴツとぶつかりあうことで、それぞれが、
その活路を切り開いてゆくようなダイナミックな時代であった。
時代として不安定ではあったという表現をもちいれば、音楽も、それほど洒
落たテイストはほどこされていなかったともいえる。荒さや激しさは、磨き抜
く手間をかける事よりも、一刻も早く自分の思いをメロディにのせて喋ってし
まわねばという、切迫感のなせるメッセージでもあった。
いま、私たちの国の音楽はどうなっているだろうか。
メディアの中だけで、短いライフサイクルを終え続ける、多くの歌を耳にする
たびに、「ああ、本当の歌が聴きたい」と切実に、願ってしまう。それは、あ
の時代の、暑苦しいほどの志に裏打ちされた歌たちへの回顧だけなのだろうか。
秩序をうしなった時代らしく、激しい歌が欲しい。
荒ぶる声で、今の時代を歌う、若者の声が欲しい。
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■おすすめ■
ここのところ、ちょっと社会派めいた発言で重いメルマガになってしまった。
そんなに音楽を難しく考えずに・・さ!という声が聞えたようで。で、では。
頭をカラッポにしたい。思わずアルコールに手をのばしそうになるが、いや
今日はまだ遣り残した仕事があるという時、こんな音楽のカクテルはいかが。
CDジャケットには「WHITE LADY」とある。
東芝EMIの企画CD全集で「JAZZ CLUB」の中の一枚。
そのカクテルの酔い心地をジャズの名曲であらわそうという魂胆。
さきほどからダイナ・ショアの「My Funny Valentine」「April in Paris」と
聴き続けている。まもなくペギー・リーの「As Times Goes By」
「WHITE LADY」
ジンベースにレモンジュースとコアントローを 少々。
爽やか系のカクテル。さっぱりとした酔い心地が持ち味らしい。
こんな雨模様の夜は、女性シンガーの声に魅かれる。
二日酔いの心配もなさそうだ。
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■今日一番の耳ご馳走■
中国笛というのは、やはり大陸的な響きがあります。
竹笛奏者の張 素奇さんにお会いしました。
来年の3月黒部市国際文化センターコラーレが毎年行っているワールドフェ
スに紹介することになり、打ち合わせです。
中国の歌同様、演奏もポルタメントに色気があります。頂いた資料のカセ
ットを聴きながら、三味線でいう「さわり」のような音色に気がつきました。
つまり、ハトロン紙(わかるかな?)のような薄い紙を唇にあてて喋ると、
ビーと鳴りますね。その音色は葦(あし)の内側の膜を、竹笛の一つの穴に
貼り付けて震わせるのだそうです。
澄んだ音色をわざと渋くする特殊な術。これが中国四千年の知恵なのです
ねえ。不思議な世界を発見しました。最古の横笛は7千年前の骨笛だとか。
孔子も孟子もこの音色を堪能していたのでしょうか。
コラールのホームページはこちら。まもなく張さんの紹介が掲載されるはず
です。
http://www.colare.jp/land/earthmoving/earthmoving.html
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●編集後記●
張さんのバイタリティに圧倒された日でした。現在35歳。中国での演奏活
動のあと来日。東海大学大学院の音響芸術研究科で民俗音楽学の修士課程を
修めたあと、さらに法律研究科で音楽著作権の博士号に挑んでいるそうです。
勿論、その合間には、今回のような演奏者としての顔も。
「今朝は、7時まで勉強してました。勉強面白いです」とニコニコ。
徹夜明け!で、秦野市から新宿に1時に!
昨年は、同じ中国から留学している23歳の女性と結婚!・・いいなあ・・
ニコニコの裏側に、時折見える中国のとてつもないパワーに感嘆しきりで
した。
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■「つれづれ音楽生活のすすめ」 00005号 2003/12/12
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牧野俊浩は、音楽の力を伝えるために、全国でステージ活動をしたり、
高齢者施設で歌をきいてもらったり、お話をしたりしています。
そんな実績をもとにして1999年に一冊の本を書き上げました。
いまだにそこそこ売れ続けています。
但し一般書店では埋もれてしまっているでしょうねえ。
宜しければお申し込みください。1500円です。
音楽は言葉をこえて
何とかしてして他人の心に触れたいという願い
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第一章 癒しの時代
●今なぜセラピーなのか
●音楽の力
●音楽セラピーの役割
第二章 音楽セラピーとはなにか
●音楽セラピーの歴史
●能動的音楽セラピー
●受動的音楽セラピー
●新時代の音楽セラピー
第三章 青音協の役割
第四章 私のセラピー観
〜共鳴としての音楽セラピー〜
●多様性を取り込む
●ふれあい
●模倣から共鳴へ
●音楽環境
●メンタルハーモニー
●シェイクハンズ・シェイクハーツ
●右脳のはたらき
●リズム
●共鳴する声帯
●ハーモニー
●倍音
第五章 何を歌ってきたのだろう
〜高齢者のための曲目リスト〜
●あたたかい交流のために
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■百歌斉放
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ゴンドラの唄
宵待草
琵琶湖周航の歌
故郷
私の青空
月光価千金
胸の振り子
時には昔の話を
黄昏のビギン
酒と泪と男と女
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